その症状、もしかしたら歯周病かも。怖い歯周病の症状とその対処法

歯周病は人類史上最も感染者数の多い感染症といわれています。しかも歯が抜ける原因の第1位がこの歯周病。

その初期症状は歯茎からちょっと出血したとか、歯ブラシに血がついていたなど意外と見過ごされがちな症状ばかりです。しかし、重症化すると歯茎の炎症が血液を介して心臓病を引き起こす可能性もある怖い病気です。

この記事では、どのような症状があるのか、どうしたら良いのかをご紹介します。

歯周病とはどんな病気?歯周病を知ろう

歯周病とはどんな病気?歯周病を知ろう

歯周病は細菌の感染によって引き起こされる感染症です。
歯と歯茎の境目に汚れが溜まるとそこに細菌が多く含まれている歯垢を形成されます。歯垢の中には歯周病の原因となる歯周病菌がたくさんあり、その歯周病菌に感染して引き起こされる病気が歯周病です。

感染者の多くは40代以上で、高齢になるほどかかりやすい病気ですが、歯磨きやお手入れが不十分であると20代の若い人でも歯周病にかかってしまいます。

歯と歯茎の炎症は、放っておくと歯を支えている歯周組織が溶けていき、最終的には歯が抜けてしまいます。
初期は自覚症状がないままに病状が進行してしまう病気で、炎症が起きて気付いた頃には症状がかなり進んでいます。

歯周病の症状 気付きにくい初期症状

歯周病の症状 気付きにくい初期症状

歯周病は気付かないうちに症状が進行する怖い病気です。軽度から重度まで、どのような症状があるのか知っておきましょう。

歯茎の腫れ

歯茎の色は本来ピンク色ですが、歯茎が少し盛り上がって赤くなっていることがあります。それは歯茎が炎症を起こしかけている証拠です。歯と歯茎の間で歯周病菌と戦うために免疫細胞が含まれた血液が集まってきているため、腫れて赤く見えるのです。

歯茎からの出血

歯茎が腫れた状態は免疫細胞が含まれた血液が集まって炎症を起こしているので、歯磨きなどのちょっとした刺激でも出血してしまいます。腫れや出血が続くと歯茎の中の骨が溶け始めます。

歯周病の症状 自覚症状が出始める中度

歯周病の症状 自覚症状が出始める中度

中度の歯周病ではいよいよ自覚症状が出始めます。歯がしみたり、嫌な味がするようになったら要注意です。

歯石がつく

歯石は歯垢が唾液中のミネラルと結合して硬くなったものです。磨き残しの歯垢はたった2日間で歯石になります。歯垢とは、歯を爪でこすったときに爪に付いてくる白くてネバネバしたもので、歯磨きでも取り除くことはできます。しかし、歯垢が歯石になってしまうと歯磨きだけでは取り除くことができません。

歯茎が下がる

歯周病菌は歯の根の周りの骨を溶かしていきます。そうなると歯茎も下がってきます。

歯がしみる

歯茎が下がると、歯茎に守られていた歯の根元が露出してきます。歯の根元は象牙質でできており、神経とつながっているため、ここに冷たいものや熱いものが触れるとしみます。冷たいものだけでなく、熱いものもしみるという点が歯周病と虫歯の違うところです。

歯茎から膿が出たり口臭がしたりする

歯周病になると歯の免疫細胞と歯周病菌が常に戦闘態勢にあります。歯と歯茎の間ではその戦闘の残骸である膿が出続けるため、口の中で嫌な味がしたり、それが元で口臭がしたりします。

歯周病の症状 重度になってしまうと・・・

歯周病の症状 重度になってしまうと・・・

噛むと痛む

歯の根元の骨が溶けていますので、神経が刺激されやすい状況になっています。噛むだけで神経が刺激されて痛みが出ます。

歯がグラグラする

歯の根元の骨が溶けているので、歯の土台が歯を支えられなくなってグラグラと揺れるようになってしまいます。

歯並びが変わってくる

歯がぐらついてくると歯列を正常に保つことができなくなり、歯並びが変わってきます。
重度の症状は歯が抜け落ちる一歩手前です。さらに進むと歯が抜けてしまいます。

歯周病になったらどうすればいいの?

歯周病が進行してしまうのはお手入れ不足であることがほとんどです。自宅で丁寧に歯磨きをすることでその症状が治まることもあります。

歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間歯ブラシなども使用して、歯と歯の間、歯と歯茎の間の歯垢を徹底的に除去していきます。

また、すでに歯石になっている場合は自分で取り除くことは難しいので、歯科医院で専用器具による歯石除去をしてもらいましょう。歯科医院での歯石除去では、主に超音波の振動を与えて歯石を砕いていきます。歯茎の状況によっては歯茎の中の歯石を取る処置も行います。歯石除去を受ける際には同時に歯磨き指導を受け、正しいブラッシングの仕方を教わって磨き残しがないようにしていきますしょう。

まとめ

歯周病は気付いていない人も合わせると日本人の80%が患っている病気です。歯茎からの出血が治まらない、頻繁に出血するなどのトラブルがある場合は早急に歯科医院を受診しましょう。

投稿日:2016年7月22日  カテゴリー:ブログ