マタニティ歯科
妊娠すると、ホルモンバランスが大きく変化して、口の中のトラブルが多くなります。
つわりで食事が不規則になり、歯ブラシを口に入れると気分が悪くなるため歯磨きができなくなることがあります。他にも唾液が少なくなることで口の中が浄化されないなど、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
また、免疫力が低下するので、口内炎などにも悩まされることがあります。
妊娠中に治療を受けるタイミングは?
妊娠初期
つわりがある人も多く、ストレスで切迫流産の危険もありますので本格的な治療は避けたほうが無難です。歯科医院で医師に妊娠初期であることを伝え、相談しながら応急処置をします。くれぐれも市販の鎮痛剤などの服用は避けましょう。
妊娠後期
治療を受ける仰向けの姿勢が、お腹を圧迫します。早産や陣痛が起きてしまうリスクがあるため、この時期も一時的な応急処置にとどめます。
以上のことから、妊娠17週から30週までの妊娠中期が歯科治療に適しています。一般的な治療はすべて問題なく受けられますが、以下の点に注意しましょう。
- 母子手帳の提示
- 歯科医院へ行く前に産婦人科の医師に相談して、治療を受けられる時期か指示を仰ぐ
- 産婦人科の医師に注意されていることがあれば、必ず歯科医に伝える
- 体調が悪いときは応急処置にとどめる
- 楽な姿勢で治療を受け、トイレを我慢しない
妊娠中の歯科治療についてよくある質問
レントゲンは大丈夫?
歯科医院で使うX線はお腹に直接当たりませんが、妊娠初期は胎児が影響を受ける可能性があり危険です。15週以降は胎児の器官形成期が終わっているため、ほとんど問題はありません。心配なら鉛入りのプロテクターをしますが、できれば妊娠中のレントゲンは避けたほうがいいでしょう。
薬を飲むのは問題ない?
歯科治療の薬のほとんどは比較的安全に使えますが、医師に妊娠中であることをしっかり伝えてください。抗生物質は妊婦が使って大丈夫なものがあります。問題は鎮痛剤で、必ず歯科医師の指導に従うましょう。市販薬はもちろん、家族のものや妊娠前に処方された薬は飲んではいけません。
歯科治療以外の病院でも、医師に妊娠中であることを必ず伝えましょう。
麻酔は大丈夫?
歯科治療で使う麻酔は微量ですので、ほぼ問題はないといえます。麻酔の後に気分が悪くなった経験があれば、必ず医師に伝えてください。
まとめ
妊娠中の歯科治療は胎児のこともあり、神経質にならざるを得ません。妊娠の予定があるなら、事前に歯科医院でチェックをして歯の治療をしておきましょう。妊娠中は歯科医院で歯のクリーニングをしておけば、虫歯や歯周病の発症を予防できます。つわりがおさまったら、歯磨きなどのセルフケアも心がけましょう。