一度虫歯になってしまうと、自然に治ることは決してありません。進行すれば熱や痛みに苦しみ、最後には歯を失ってしまいます。

しかし虫歯は予防できます。日頃の歯磨きなどのセルフケアと歯科医院での定期検診、クリーニングを行えば、ずっと健康な歯のまま過ごすことができるでしょう。

このページでは歯科医院でできるクリーニングについてお伝えします。

歯科医院でできるクリーニングとは？

歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って歯の汚れを落とし、研磨剤を使って歯を磨き上げます。これを「Professional Mechanical Tooth Cleaning（プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング）」、略して「PMTC」といいます。

PMTCは歯の徹底的な清掃と口内トラブルの予防処置が目的ですので、歯を白くする目的で行うホワイトニングなどとは異なります。

PMTCでできる「バイオフィルム」の除去

バイオフィルムとは、歯を黄色くする茶渋（ちゃしぶ）や食べかす、歯垢などにミュータンス菌や多くの細菌が集まって作った、歯の表面の厚い膜のことです。バイオフィルムは虫歯や歯周病の原因になるので、しっかり取り除くことが歯の健康にとって重要です。PMTCはバイオフィルムを歯からなくして、本来の歯の白さも取り戻せる嬉しいクリーニングなのです。

PMTCの内容

まず歯に溜まった歯石を除去します。歯1本ずつの作業になるため、歯石が溜まっている場合は何回かに分けて処置をします。

次に歯科医師や歯科衛生士がクリーニングを行います。専用の器具で重炭酸ナトリウムを高速噴射して、歯の表面についた着色を落とします。回転ブラシなどを使ってフッ素を配合したジェルで歯を研磨し、バイオフィルムをきれいに除去します。

最後にフッ素を塗ってコーティングをし、完成です。

仕上げに塗るフッ素には虫歯菌の活動を抑え、歯の表面のエナメル質の成分と結びついて歯を強化する働きがあります。PMTCは歯の汚れを落とすとともに、口内のトラブルを予防できる一石二鳥の処置です。

PMTCにかかる時間と費用

歯石除去の期間を除いて、PMTCは30分ほどで終了します。費用には差がありますが一般的には3,000円～5,000円ほどです。

PMTCは予防法であり歯科治療ではないので健康保険は適用されませんが、確定申告の医療費控除の対象です。医療費控除についてはこちらのページをご覧ください。

まとめ

歯磨きなどでは落ちない歯の汚れを専門家がクリーニングすることによって、口の中のトラブルを事前に防ぐことができます。歯磨きチェックや指導等を受けながら、歯の健康を保つよう心がけましょう。