定期的なフッ素塗布、続けていても副作用はないの?
子どもの頃、かかりつけの歯科クリニックや小学校の歯科検診などでフッ素塗布を行ったことがある方は多くおられます。現在でも、むし歯予防のひとつとして行われています。しかし、フッ素自体が、使い方によっては中毒症状を起こすことがあるため、フッ素塗布は危険だという意見もあります。フッ素塗布は、本当に危険なものなのでしょうか?副作用などはあるのでしょうか。
むし歯対策の定石・フッ素塗布ってどんなもの?
フッ素塗布をすることで、むし歯になりにくくなるということはよく知られています。歯はハイドロキシアパタイトという結晶の構造をしているのですが、歯にフッ素を塗ることで化学反応が起こり、フルオロアパタイトという結晶構造に変わります。このフルオロアパタイトになると、歯の表面のエナメル質がかたくなり、むし歯になりにくくなるのです。
フッ素塗布を歯科クリニックで行う場合は一般的に、だいたい半年に1~2回のペースで行います。まずは歯の表面についている汚れ・歯垢をクリーニングでしっかりと除去します。続いて、歯の表面を乾燥させ、フッ素を塗っていきます。唾液が歯の表面についているままフッ素を塗っても、ペリクルという膜ができてしまうせいでフッ素が歯に浸透しにくくなるのです。塗った後は、30分くらい口をゆすがないようにし、溜まってきた唾液は飲み込まず、吐き出します。これでフッ素塗布は完了です。
フッ素塗布って、良いの?良くないの?
結論から言うと、フッ素塗布自体はむし歯予防には有効ですので、良いものだと言われています。しかし、フッ素そのものについてさまざまな意見があります。
フッ素塗布のメリット
先程挙げた、エナメル質がかたくなるということの他に、以下のようなメリットがあります。
- 歯の再石灰化を促進する
- 歯垢の中にいる細菌に対しての抗菌作用
- 酸性に耐える力がアップする
フッ素塗布のデメリット
- 年に数回歯科クリニックに、フッ素塗布をしに行かなければならない
- フッ素塗布を必要以上に繰り返したり、歯科クリニックでのフッ素塗布の他にフッ素配合のものを多用したりすると、フッ素の過剰摂取になる可能性がある
まとめ
フッ素塗布は、普段の歯みがきやフッ素塗布をする程度では、人体に影響するような副作用はありません。それでも、気になることがあれば、かかりつけのクリニックでフッ素について聞いてみるとよいでしょう。
投稿日:2017年3月30日 カテゴリー:ブログ