80歳まで自分の歯を残すために……手強いバイオフィルムを破壊する方法
「8020運動」とよく耳にするように、誰しも、80歳になっても自分の歯で好きな食べ物を噛める状態でいたいですよね。
そのための大事なことのひとつに、バイオフィルムを破壊することが挙げられます。といっても、バイオフィルムって一体何だろう?と思われる方も多いはず。
ここでは、バイオフィルムとは何なのか、またどうやって破壊するのか、見ていきたいと思います。
バイオフィルムって、一体どういうもの?
バイオフィルムとは、複数の微生物が集まってできる構造体で、漢字では「菌膜」と書きます。実はこのバイオフィルム、口の中だけにあるものではありません。
風呂の排水口といった水回りの掃除をしたことがあれば必ず遭遇している、ヌメリ。これも、バイオフィルムです。
人間界では、雑菌、ばい菌と忌み嫌われていますが、バイオフィルムそのものは水と微生物がいる自然界では当然のようにどこにでも存在するものなのです。
そんなバイオフィルムの中でも、口の中で発生するものは自然界にある他のものと区別するために、「プラークバイオフィルム」と呼ばれることもあります。
ネバつきのあるバイオフィルムは歯に張り付くとカンタンには流れてくれず、その場にとどまり続けるという性質があります。だから除去・破壊が難しいと言われており、厄介なのです。
プラークとバイオフィルムって同じもの?違うもの?
大きなくくりで言うと、プラークとバイオフィルムは同じものになりますが、研究がすすみ、最近ではプラークはむし歯や歯周病の原因となる細菌のかたまりだという考え方が基本となっています。
一方、バイオフィルムは細菌のかたまりではあるものの、その中で細菌同士がともに生活しているコミュニティーであると言われています。
コミュニティーの中では、栄養源を融通しあったり、薬に対抗できる情報をやり取りしたりしているようです。
一連の過程としては、まず歯の表面に細菌が付着し、プラークとなります。プラークが層になって堆積し、そのプラークを覆うようにしてバイオフィルムができます。
プラークにあるのがすべて悪い細菌というわけではありませんが、悪い細菌が増え、バイオフィルムの膜も強固になってしまうと、除去が難しくなってくるのです。
バイオフィルムを破壊するためには
自宅でカンタンには除去・破壊しにくいものなので、ついうっかりそのままにしてしまうことがあります。
そうすると悪循環になり、バイオフィルムが歯石となってしまいます。できれば、そうなる前に対処しておきたいですよね。
自宅で
一番有効なのは、プラークがバイオフィルムになる前にしっかりとブラッシングすること。厚生労働省のサイトには、プラークが形成されるのにおよそ8時間かかるとあります。
つまり、その間にプラークの元を除去すればバイオフィルムもできないのです。また、歯ブラシは、歯周ポケット対策として毛先が細くなっているものも人気がありますが、歯の表面をしっかりとみがくためには、断面が平らなものがおすすめ。
ただ、歯ブラシがかたすぎたり、力を入れすぎたりすると歯ぐきを傷つけてしまうので注意が必要です。
クリニックで
「PMTC」と言う言葉を聞いたことはありますか?これは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、クリニックで行う歯のクリーニングのことです。
歯ブラシでは取りきれないプラークやバイオフィルムをクリニックの専門の機械を使って、本格的にお掃除をします。
使用するのはゴム製のチップや柔らかいブラシなので、歯や歯ぐきを傷つけることはありません。仕上げにフッ素のコーティングもしますので、むし歯予防にも最適です。
まとめ
放っておくと自分では手に負えなくなってしまうバイオフィルム。こまめに歯みがきをし、定期的にクリーニングに行くのが一番の予防です。
ちなみに、バイオフィルム対策の歯みがき粉などもあるそうですよ。
投稿日:2016年9月14日 カテゴリー:ブログ